恐怖トンネルと世界の散歩道
3月12日
(テ・アナウ湖を遠くから見たところかな?ちょっと忘れた)
(氷河が山を削ってできた地形。U字谷)
7時半起床。出発前に両替や日本への電話(ここで初めて家に電話した・・・)、帰りの航空券の手配を行い出発。 いろいろ雑用をしているうちに、Te Anauを出たのが11時半になってしまいました。
しかし天気は快晴!久しぶりの好天気です。U字谷を形づくる山々がはっきりと見えます。 とてもきれいで自転車で走っていても気持ちがいい。「これだよ!これ!こんなところを走りたかったんだよ!」と心もウキウキ。 写真を撮りつつ快調に走ります。
それにしても典型的なU字谷。昔、地理の地図帳で見たのと全く同じです。
Te Anau Downsで昼食。ここから長袖の服を脱ぎ、日焼け止めを塗って走り出しました。
ここからアップダウンが結構激しくなってきました。山は、ある高度からプッツリと植生が途絶え、高いところは見事なハゲ山。 これも理科か何かで習ったような気がします。たしか植物が生える高さの限界ってあるんですよね。
快晴なのはいいのですが、かなり暑いです。今日の目的地はミルフォードサウンド。「世界一の散歩道」と言われる、 数日間のトレッキングコースのゴール地点です。私はトレッキングではなく、自転車で向かいます。なお、 トレッキングのほうは世界中から旅行者が集まるそうで、誰でも自由に参加できるわけではありません。入場制限が厳しく、1日に何人まで、 と決まっていて、生態系を保護しているそうです。
(ちょっとセルフタイマーで走っている後姿を撮ってみました)
さて、夕方になりました。もうこのあたりはずっと上り坂です。いつまで続くのか・・・ノロノロと進みます。そして、 ミルフォードサウンドに近づくにつれて、サンドフライの数も確実に増えていきます。そう、 ミルフォードサウンドはサンドフライの名所でもあるのです。
とうとうホーマートンネルに到着しました。ここを超えればミルフォードサウンドまではあと少しなのですが、このホーマートンネル、 チャリダーにとっては「恐怖のトンネル」なのです。
(ホーマートンネルの入り口)
ご覧のとおり、全く中が見えません。真っ暗です。 もちろん自転車にはライトをつけているのですが、このトンネルの暗闇に飲み込まれそうです。自転車のライトはおろか、 自動車のライトさえ飲み込まれそうな漆黒の闇。もしこのトンネルの中で前から10tトラックでもやってきたら・・・
しかもこのトンネル、幅は狭いし、それに長さが何mあるのかもわかりません。 いつ終わるかわからない暗闇に入っていく。これは生理的にすご~くイヤです。しかもトンネル内はダートです。 万が一この中でパンクしたらどうしたらいいのでしょう?
でも、ここを通る以外、道はありません。決心するまで15分くらいトンネルの前にいたような気がします。
中に入ってみると本当に真っ暗で、一直線なので出口だけがポツンと一点、白く光っていました。ただ、それほどのダートではなく、 中ですれ違った車も1台だけだったので助かりました(でももう通りたくない)。
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(Googleマップで見たホーマートンネルの衛星画像です)
トンネルと越えると一気に下り坂。チャリダーの至福のひと時です。しかし、 ミルフォードサウンドのキャンプ地に着くとたくさんのサンドフライが歓迎してくれました。昨日、 「ミルフォードサウンドはサンドフライがすごい」という話を聞きましたが、それはちっとも大げさではありませんでした。
ところが、シャワーを浴びると外は真っ暗になっていたのですが、サンドフライはピタリといなくなっていました。 サンドフライは日中限定の害虫なのです。
本日の記録
走行距離:121km
宿泊地:ミルフォードサウンドのキャンプ場
走った経路は赤線(北向きに)です。
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